彩歯健康アカデミーの基調講演より「噛んで防ごう全身疾患」の基調講演よりご案内いたします。 お問い合わせ
歯周病専門医 目白若林歯科歯周病研究所

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抜かないための歯槽膿漏の
  患者学
 若林勝夫 著
四六判並製 206頁 税込 1,470円
ISBN4 89007-045-1 C0077
歯と歯ぐきの間から入ったバイ菌が、歯肉に炎症をひき起こし、さらに、歯肉の中にある歯槽骨を溶かしてしまうからで、これが「歯槽膿漏」という病気である。
 すなわち、歯が抜けるのは、バイ菌が歯と歯肉の境目からわり込み、歯と歯肉を離れさせ、続いて骨をも溶かし、そして歯を支持している骨の量が少なくなることが、その理由である。さらに、この過程において噛み合わせの不調和や全身疾患等が、歯槽膿漏を悪化させる要因となることもある。
 したがって歯槽膿漏の治療は、その主原因である細菌との戦いに終始するわけであるが、もちろん、歯槽膿漏を助長する他の因子への対応も必要である。
 (本文より)

 

噛んで防ごう全身疾患

(医)歯専会 目白若林歯科歯周病研究所院長
 医学博士 若林勝夫

  最近の人々の話題は、世界的不況だと思います。
 私は話題ではなく人々の興味は何かと考えてみました。公園に行けばウォーキング・ジョギング、テレビを見ると「ためしてガッテン」あるいはタケシの家庭の医学など人々の興味は、健康ではないかと考えました。

  実は脳梗塞や脳出血などの脳疾患、心筋梗塞に代表される心疾患、あるいは糖尿病などの全身疾患と歯周病が併発する事によって、お互いの病気が悪い方へ足の引っ張り合いをすることが解って来たのです。さらにその増悪化傾向の凄まじい事が昨年来認識され始めてきました。
   したがってそうなる前に早く手を打ちましょうと言うことで、本日は糖尿病と歯周病の関連性をメインにお話しを進めて行こうと考えています。

  私は糖尿病と歯周病の関連を1990年より研究に取り組んでまいりました。当時私の話を誰一人として耳を貸していただけませんでしたが、昨年これは証明されました。
   今回、このテーマに的を絞ったかといいますと、高齢者がどのような生き方をしたいと望んでいるのでしょうか。その願いは一つ、健康で長生きすることでしょう。その願いを3つに絞ってみました。

  まず第1に自分で話せること、第2に自分でどこへでも行ける。そして、第3に自分で食べられる(噛める)こと、この3つが高齢者にとっての人生への願いだと思います。そこで話せる、行ける、噛めるが人生の願いの3原則と考えてみました。
   この三原則を脅かすものが、脳疾患・心疾患・糖尿病の3大疾患と最も関係の深いのが歯周病です。皆様も平均寿命と健康寿命と言う言葉をご存知だと思います。平均寿命とは生きている年数です。健康寿命とは健康で自立した生活ができる年数です。高齢者の求めている歳とは健康寿命なのです。この健康寿命に我々歯科医師がどこまで貢献できるのかが今日のメインテーマです。

  高齢者だけでよいのでしょうか。むしろ本当のターゲットは、高齢者予備軍ではないのでしょうか。高齢者になる前にこれらの疾患に罹り大変な思いをして、そのまま高齢者として立ち上がれないことが恐ろしいのです。

  歯周病と全身疾患の関わりについてお話します。まず皆様には歯周病について理解していただきたいと思います。歯周病になると、歯磨きのときやリンゴをたべると歯茎から出血することがよくあります。それは歯と歯茎の境目から歯垢や歯石などの歯周病の細菌が入り込み、繁殖しながら根の周りの骨を溶かしながら根の先の方に侵入していきます。このような歯周病が進行する過程において骨が溶けると同時に歯茎にも炎症が波及されます。即ち炎症を起こした歯茎は血管が露出するために出血が起こるわけです。

  この部位を歯周ポケットといいます。この歯周ポケットの中から炎症性のサイトカインと呼ばれるたんぱく質が大量に発生し、ポケット内を満たし心臓のポンプ作用によって露出した毛細血管より歯周病菌や炎症性サイトカインが侵入することとなり、全身の血管をめぐりダメージはいわゆる動脈硬化を引き起こしさらには脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、糖尿病に大きな影響を与えています。ですから歯周病の重要性に気づいてください。口の中の感染物質が全身に悪影響を及ぼすのです。

  それでは彩歯健康アカデミーに入りたいと思います。
  本日お話したいテーマを次のように挙げてみました。

  『凡て人に為られと思うことは人にも又その如く為よ』これは古い言葉ですが平たく言えば、自分がしてほしい事は凡ての人にもしなさいという意味です。治療を受ける方にも歯周病とは、どの様な病気か知っていただきたい。知ることで治療のスタートラインに立つことができるのです。

  歯牙・歯茎・骨について健康なものと歯周病に罹患したものを比較してみましょう。健康な場合の歯茎の厚みは下顎では3.5o、上顎で4.5o前後です。その歯茎の下に骨があります。歯には頭の部分と根の部分がありその境界から根の方向1.8oに骨があります。

  次いで歯周病に罹患した場合と比較してみましょう。レントゲン像で比較してみますと健康な場合エナメル象牙境から2o位の所に骨があります。重度の歯周病の場合説明するまでもなく、骨は根の先にしかありません。次に歯茎の話です。歯と歯茎の境に歯周ポケットというものがあります。横にある棒のメモリ1つで3mmあります。歯周ポケットに入れてみますと11.5oぐらい入っています。健康なら骨がありますので入りません。レントゲン像を見てみると黒く何もないことが解ります。この骨の崩壊を招いたのは歯垢や歯石などの歯周病菌の侵入です。

 次にお見せするのは手術で歯茎を剥がした所で骨がなくなっています。これが病気の現場です。それでは骨が崩壊したところには何があるのでしょう。この赤いブヨブヨした物です。これは先ほどお話した炎症性サイトカインなどです。さて実際にはどうなっているのでしょう。レントゲン像で根尖まで骨がありませんので色々細工して根の先にある物ごと歯を抜きました。この根の周りにあるものが炎症性サイトカインなどです。これが全身に悪さをするのです。毛細血管から侵入し静脈角から全身に回ります。次に歯周病の原因はこの歯石で歯周病の99%がこれだと言えると思います。

  皆さんも経験があるかもしれません。歯茎が腫れて痛くなってきたこの時私は腫れの原因である歯石を、歯茎をはがして除去します。数ヵ月後歯茎はきれいになっています。歯石があれば生体の防御反応によって血管が拡張し白血球を多く集め腫脹してきます。これに対処するには原因の歯石を手術にせよ大変難しい技術ですがスケーリングによって完璧に除去さえできれば消炎されます。

  皆さん一生懸命ブラシをしていますが必ず磨き残しが出てきます。それが噛む面や歯と歯の間ならば虫歯になりますし歯と歯茎付近だと口の中のバイ菌がそれを餌に爆発的に増殖します。これが歯垢でこれに唾液中のカルシウムで塊を作りますこれが歯石です。ですから歯石は細菌の塊なのです。この歯石はダイアモンド・オパールに次いで世の中で3番目に硬い物質だそうです。歯石は根の先を目指して成長して行きます。そして、ある程度深く成長すると住む細菌が嫌気性菌と言う空気が嫌いで空気がない場所に生息する菌に変化しこれがとても悪いことをします。骨はどんどん破壊され根の先まで到達すると歯が抜けてしまいます。歯周病は絶対自然治癒しない病気です。また、進行がとても早いのでなるべく早い段階で治療に着手する必要があります。

  歯周病と糖尿病の関連についてお話を進めてまいります。糖尿病とはどんな病気でしょう。ものを食べると血液中にブトウ糖が増えてこれをある臓器がエネルギーとして取り込みます。この取り込みを助ける物質がインスリンであり膵臓で作られます。なんらかの影響でインスリンの働きが悪くなり、いつでも血液中の血糖値が高い状態が糖尿病です。歯周病によって血液中に送り込まれた炎症性サイトカインはインスリンに仕事をするなと命令し、血液がドロドロな状態になり動脈硬化の引き金になります。

  では動脈硬化とは何でしょう。血管の壁に粥種がたまりそこにガンの原因菌の1つとされるピロリ菌や歯周病菌 のPA菌PG菌などが住み着きインスリンに作用し機能を失わせるのです。これからもお分かりいただけるように、動脈硬化は非常に厄介な病気で糖尿病をさらに悪化させ原因である歯周病にも悪影響を与えます。

  糖尿病の人は歯周病にかかりやすいのです。
 なぜなら高血糖状態は流れが悪く歯周病の歯茎へ血流が少なくなるのです。また細菌と戦う白血球の走化性が減少し貪食機能も低下して細胞性の免疫障害を起こします。すなわち高血糖に起因した歯周病菌への抵抗力の低下が起こり、血管の変性による動脈硬化障害を起こし宿主の防衛機能を減速し歯周病の増悪を招くのです。

  また逆に歯周病の患者さんも糖尿病にかかりやすいのです。先ほど来、お話しておりますように歯周病は炎症性サイトカインを大量に発生させ、露出した毛細血管から侵入し全身の血管へ旅をするのです。この結果本来血糖値を下げるインスリンに体が反応しなくなり、さらに血管にダメージを与え動脈硬化のリスクを高めます。

  歯周病と糖尿病のかかわりは、お互いに足の引っ張り合いをして増悪の合併症となりさらなる病も出現してきます、ここで歯周病と糖尿病の合併症への対応策を提案します。これは合併症でも単独発症でも大いに役立ちます。
   糖尿病の治療法は、薬物療法いわゆるインスリン注射、運動療法、食事療法です。特にきついのが食事療法で人間の本能を制限するわけですからつらいものです。
   そこで歯周病との合併症なら歯周病のほうから治療して治してしまえばお互いに足を引っ張り合いしなくなります。

  まず始めに歯周病単独発症の治療例です31才の女性でご本人は歯周病の末期だと思うと来院しました、ほかに病気はありません。歯石除去して歯ブラシ指導し1週間に1回のペースで来院し3ヶ月で歯周病は改善し矯正後歯冠補綴治療を行い現在20年が経過しています。これは患者さんが自分自身で治療したのです。歯周病の原因は歯垢・歯石なのでそれを取り除くと歯茎は改善してきます。人間はこの歯茎の治癒を見て嬉しくなり、脳が喜びさらに喜びたいのでもっと歯ブラシをしようとなるわけです。

  次は歯周病と糖尿病合併症治療症例で1981年47歳女性です。歯周治療と補綴処置をしましたが15年間定期検診に未来院でしたが、糖尿病に罹患してから来院されました。
   歯科衛生士が聞きましたところ、ものがうまくかめなくなり薄く小さく切ったリンゴなら食べられる事、1986年糖尿病を発症し某病院に通院しインスリン治療と食事療法を受け、担当医から風邪をひかないようにと、さらに歯科治療を受けないことを言い渡された。
   電話で対応すると、歯槽膿漏とは関係ないと怒られてしまいました。現在ならともに協調して治療しましょうとなりますが。

  初診1981年15年間治療が中断し糖尿病を発症し、その血糖値のデータはかなり危険な数値です。1996年3月18日歯周治療を開始し、4日後の血糖値は441です。1ヶ月後4月19日血糖値は368です。歯周治療で食い止めることができるかもしれないと思いました。歯磨きをしっかりするということは面倒くさい事です。歯みがきが楽しくできればいいのにと考えています。

  歯磨きに限らず手の動作は脳の指令で動きます。歯磨きの習得も脳の作業でありよく磨けた体験は脳に快感を与えます。これらの成功体験を積み重ねることで脳は更なる快感を覚えます。
   この成功体験を脳に植え付けることが歯磨き上達の条件なのです。

  先ほどの合併症例の5月24日2ヶ月後、3ヶ月後と血糖値は下がってきました。それと並行して歯茎の状態もやや良くなってきます。7カ月後血糖値は正常範囲に入ってきました。
   11ケ月で歯周治療も終了しました。先ほどの歯周病単独発症例の方は3ヶ月で治療は終了していますので合併症がある場合には約4倍時間を要したわけです。3年6ケ月のメインテナンス時には状態がキープされボーリングを楽しまれているそうです。ほとんどの治療はスケーリングとブラッシング指導なので歯科衛生士の対応でここまで回復してくるのです。

  歯周病と糖尿病の合併症の対応としては、糖尿病のコントロール不良は歯周病の発生、重症度、発生人数などが上昇します。対して歯周病のコントロールが良好な場合には糖尿病の治療の効果や期待が高くなります。すなわち歯周病と糖尿病の合併症を断ち切るために、まず歯周病を治すことが最善策であると思います。
   読売新聞に昨年の暮れ掲載された記事です。予備軍を含む糖尿病患者は2006年11月で1870万人、2007年11月では2210万人であり1年間だけで340万人増加しており4.7人に1人が罹患していて、2210万人の内880万人は糖尿病を発症しており1320万人も予備軍よりは一歩進んだ状態です。昨年の国民保健栄養調査では、40歳以上では3人に1人が罹患しているとの調査が出ています。

  肥満の方に歯周病が多いのは、内臓の脂肪から炎症細菌性物質が発生し血液中に流入し歯茎に到達し歯茎の炎症とインスリンの働きを低下させそのために血糖値が下がらなくなります。次いで症例をご紹介します。認定衛生士1号を取得した際に発表した症例です。

  2007年9月7日初診31歳男性です。メタボです。5ケ月で歯周治療は終了しました。通院は19回です。1年4ヶ月後メインテナンスに1ケ月に1回通院されています。1年5ケ月後正常体重に落ちタバコもやめられました。患者さんも参画した結果です。
   歯周病と妊婦の関わりは低体重児出産と早産が言われています。この症例の女性は4人のお子さんをお持ちでうち2人は出産時体重が1300gでした。最近の報道で北海道の自宅で1300gの子供を早産、救急車で7件の病院に拒否され母親が死亡するという事が起きています。ぜひ娘さんやお孫さんに歯周病の恐ろしさを啓蒙していただきたいと思います。重症な歯周病の患者さんは7倍ものリスクがあるのです。次の症例は1981年初診の31歳で妊娠中です。3ヶ月で治療が終わり27年後お孫さんは6人になりまったく健康体です。この集中メインテナンスと定期的なメインテナンスで人生が変わります。

  次いで難治型の疾患への対応です。再生不良性貧血で出血させることができません。何故なら出血をコントロールできませんので徹底したブラッシング指導と縁上歯石の除去で対応しました。しかし歯茎は失われていきます。難治型疾患の特徴は、ブラッシング指導などを完璧と思えても、患者さんの参画も得て歯石の存在を証明できなくても歯牙が『つるん』と抜けてくるような場合です。少し言い訳がましいですがまだ研究課題はあるということです。

  歯科医院に行って得する患者になろうというお話しです。欠損数が多い場合でも上下顎間関係の調和がとれていれば長期にブリッジも機能させることができることです。これは歯科医に任せてください。次は1984年歯根分岐部を超えた骨吸収が認められた診断基準として抜歯ですが、同意を得られませんでした。8年2ケ月後根尖まで骨が吸収しており、上顎洞にも交通しており耳鼻科医とも対診し抜歯しました。ここでレントゲン像を見て大変なことに気付きました。近接した歯槽骨にも同様な傾斜した骨吸収像です。これは1本にこだわったため連鎖を生んだのです。対処するためには歯科医側の知識でコンセンサスを得るための説得出来得る知力です。これは患者さん対歯科医師として妥協することなく診断し治療法を患者さんにとってよりベターな方向へ向けなければなりません。安易な方向へ流れるのではなく説得してよりベターな方向へ同意を得なければなりません。歯根分割抜歯などは得意なのですが周囲の状況や生活習慣などを懸案し抜歯した方が骨のレベルの改善がされることを患者さんに教え理解してもらうことで『抜かれた』との風評などを防ぎ患者さんにとっても1本の抜歯で両隣在歯2本が残ったことを理解していただけると得をするわけです。

  30歳ぐらいの女性で前歯部の歯冠部のみ両隣在歯に接着固定した症例ではレントゲン写真でも年齢からみても抜歯および術後の醜型や周囲へのリスクを考え歯肉レベル上で切断抜去した骨レベルの回復は想像以上でした。歯科医師は診断能力に磨きをかけ患者さんに対し情報提供していくことが患者さんも同意して参画できるということです。その結果良し悪しが判定されますがこの同意を得ていることが医療不信を防ぐ道です。

  本日は彩歯健康アカデミーということで、歯周病を放置するといかに全身に影響を与えるかということを一般の方々に覚えていただいてさらに周りの方に伝えていただきたいと思います。

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