歯肉炎から歯周炎、重度の歯周炎まで、それぞれの特性等について。 お問い合わせ
歯周病専門医 目白若林歯科歯周病研究所

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抜かないための歯槽膿漏の
  患者学
 若林勝夫 著
四六判並製 206頁 税込 1,470円
ISBN4 89007-045-1 C0077
歯と歯ぐきの間から入ったバイ菌が、歯肉に炎症をひき起こし、さらに、歯肉の中にある歯槽骨を溶かしてしまうからで、これが「歯槽膿漏」という病気である。
 すなわち、歯が抜けるのは、バイ菌が歯と歯肉の境目からわり込み、歯と歯肉を離れさせ、続いて骨をも溶かし、そして歯を支持している骨の量が少なくなることが、その理由である。さらに、この過程において噛み合わせの不調和や全身疾患等が、歯槽膿漏を悪化させる要因となることもある。
 したがって歯槽膿漏の治療は、その主原因である細菌との戦いに終始するわけであるが、もちろん、歯槽膿漏を助長する他の因子への対応も必要である。
 (本文より)

 

歯周病の種類

歯周病の種類

1. 歯肉炎

  歯肉辺縁部の歯根に付着した歯垢、歯石により、歯肉に炎症が引き起こされた状態を歯肉炎といいます。歯肉炎は、歯を支えている骨には炎症は波及されていないので、骨の変化はありません。しかし、過去に骨の吸収が起こったが、治療することにより現在は治癒している状態で歯肉のみに炎症が起こっている場合も歯肉炎に属します。

   どちらの場合も、放置すると歯肉炎から歯周炎(骨の吸収が起こった状態)に移行することが多くみられます。それ故、歯肉炎の段階で治療すれば、比較的短期間で治癒し、治った後の歯と歯肉の関係も殆んど変わらないので、治癒した形態も理想的といえます。
   歯肉炎は、他に妊娠中に発生する妊娠性歯肉炎、或は高血圧治療、てんかん治療の薬剤の服用による薬物性の歯肉炎などがあります。

2. 慢性歯周炎

  慢性歯周炎は、広い年齢層(小児から成人に至る)にみられる炎症性の歯周炎で、成人に最も多い頻度で発症し、その進行の程度は比較的ゆっくり波及するタイプです。感染部位(病態の広がり)は全体の歯の30%以下に存在しているものを限局型慢性歯周炎といい、それが30%を超える場合を広汎型慢性歯周炎といいます。
   慢性歯周炎は、歯垢、歯石などの細菌により感染し発症します。さらに細菌の量と歯周炎の進行の程度は比例することが多いです。それ故、歯周炎の種類(タイプ)を判定する基準として参考にしています。

  次に、痛み、不快などの症状ですが、軽度から中等度に進行しても殆んど症状はなく、重度になると突然歯肉が腫れたり、歯が大きく動いたり、歯ブラシによる出血があったり、或は噛むとき痛みを感じるなど、様々な症状が出てきます。このような場合、とくに重症な症状は歯の縦(歯根と歯冠方向)の動揺です。
   この種の歯周炎は、通常ゆっくりと進行します。しかし、歯肉の突然の腫れ、例えば痛みを感じてから数時間後に腫れるような場合は、急速に骨の吸収が起こります。このような場合は、性急に処置が必要となります。この種の病態を急性歯周膿瘍といいます。この場合、切開して排膿させることや抗生物質の投薬などの対称療法は好ましい対処ではありません。この腫れの原因は細菌ですので、徹底的に細菌を除去することが適切な処置法です。

3. 限局型侵襲性歯周炎

  思春期前後から30才頃までに発症することが多く、その特徴は第一大臼歯と前歯に限局した中等度以上の骨の崩壊が認められ、そのうち1本は必ず第一大臼歯であり、その他の歯は第一大臼歯、或は前歯であったりします。さらに、それ以外に2本の歯が骨の崩壊が認められることもあります。

4. 広汎型侵襲性歯周炎

  通常は30才以下の年令に発症することが多いが、30才過ぎても認められることがあり、その特徴は第一大臼歯と前歯に散発的に現われますが、その他の部位でも少なくても3本の歯、或はそれ以上の歯に認められます。

歯周炎の進行過程

健康な歯肉 歯肉炎

 
軽度歯周炎   中等度歯周炎   重度歯周炎

 

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